2018.06.17 Sunday

NBAバレエ団「Short Stories 9」にBravi!

 

子糠雨の15日(金)、紫色のレインブーツを履き、

足取り軽く、彩の国さいたま芸術劇場に出かけた。

NBAの「Short Stories 9: Ballet Incredible観賞日だったのだ。

悪天候にもかかわらず気分が浮き浮きしていたのは、

遅れに遅れていた印刷所への入稿を12日(火)に終え、

バレエ無しで机にへばりついていた犇豺圻瓩10日間から

ようやく解放されていたからなのだが、当日は二回公演だから

二回ともキャスト違いで楽しむぞ、と盛り上がっていたせいもある。

14時と19時の舞台をSSの同じ席でリラックスして堪能した。

 

竹田仁美/盒郷診靴痢Stars & Stripes》を観るのは今回で二度目だが、

軽妙かつ敏速な足さばきとチャーミングな表情を要求される難しい

バランシン作品をこのカップルはいつも完璧にいとも簡単そうに踊りこなす。

 

Celts(ケルツ)》は大のお気に入りで、この演目が入っていれば

いつでも、どこでも、何回でも、わたしはNBAを観に行く。

今回でおそらく5回目になるんじゃないだろうか。

ダンサーの体が美しく躍動する踊りで目が歓び、

アイルランド音楽の変化に富んだ旋律が心を癒してくれる。

衣装がグループ毎に色分けされているのだが、

】の男性パートを踊った大森康正の、触れれば手が切れる

鋭利なナイフのように研がれた動きに一段と磨きがかかり、

同パートを夜の部で踊った清水勇志レイは先輩・大森に肉迫する

テクニックを見せて、大変な成長ぶりだった。

茶色】の峰岸千晶はアイルランドの地に君臨する女王のごとき

崇高さを身に纏っていたが、このプリンシパルダンサーが醸し出す

品格はいったいどこから来るのだろう、恰も御仏、マリア様なのだ。

そして一番好きなパート【メンズダンス】は筆舌に尽くし難い。

美しく引き締まった体の男子5人が上半身裸で途切れなく

跳躍し、回転し、ぶつかり合い、走り、拳を振り上げ踊る姿は

原始の祭礼シーンやスポーツ大会は斯くの如しかと思わせる。

5人が輪になるときには、なぜか今回はストーンヘンジの

神秘性をわたしは感じていた。毎回新しい発見があるのだ。

どのダンサーも素晴らしいが、昼夜踊っていた河野崇仁とは

個人的な面識があるので自然に目が行った。彼は

振付家兼ソリストの宝満直也の新作《11匹わんちゃん》と、

《ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番》でも昼夜踊っており、

そのパワーとエネルギッシュな踊りに瞠目した次第。

 

宝満直也の《11匹わんちゃん》には意表を突かれた。

5月にスタジオリハーサルで未完成のものを拝見していたが、

このような衣装、メイク、演出で来るとは! スタリハでの説明で

「ダンサーがものすごく動けるので振付がどんどん進化していく」

というように宝満は話していたが、NBAダンサーを得て

この若い振付家は嬉々として作品を仕上げていったのだろうと拝察する。

竹田仁美がここでも大活躍で、キュートな役どころを昼夜演じ踊っていた。

11匹男子瓩獅子奮迅、いや犖せ卻蛙廰瓩靴討い燭里聾世Δ泙任發覆ぁ

 

アルビン・エイリーの名作The Riverより《ボーテックス》

今回二度目の観賞で、前回同様、未だアーティストの勅使河原綾乃だが、

このダンサーは凄いのだ! 回転、アラベスクでの静止など、

すべての動きで全くブレない! 天と地を突き刺して踊り、

笑顔を浮かべて若々しく艶めかしい視線を客席に送る余裕さえ見せる。

 

書き切れないので一旦ここで筆を擱くが、ここまでだけでも

NBAダンサーの躍進、成長ぶりは明白だろう。

9月の日本初演「リトルマーメイド」、

来年3月の久保綋一版「白鳥の湖」に期待は弥増すばかりだ。

 

昼の部が終わり、夜までに待ち時間がかなりあったので、

どこのバレエ公演でもお会いする熱烈なバレットマン、Hさんと

劇場併設のカフェでお茶をした。ほぼ毎週バレエを観に行く

Hさんのバレエに関する情報、知識は並外れで、

語り出すと止まらない。あっという間に夜の部の開演時間になった。

夜の部にはバレエ友だちのAさんが勤務を終えて駆け付け、終演後、

三人でオチャケをしながらバレエ談義をしたので、

与野本町から渋谷に戻ったときには地下鉄銀座線が終わっていた……。

 

Hさんといただいたカフェペペロネのキャラメルショコラケーキ。

 

*敬称略とさせていただきました。

 

 

 

 

 


2018.06.03 Sunday

バレエ三昧の季節(最終回): 「リーズの結婚」他

 

がさがさ懸命に生きていたらもう6月で、

今年も残すところ半年になってしまった。

仕事に集中していると家を出るのが億劫になり、

レッスンに行くのは4、5、6月限定月謝制で毎週水曜受講の

「ドン・キホーテ」パ・ド・ドゥWSがメインになってしまい、

Angel R(こちら→)の月16回チケットの消化は下旬になだれ込み、

月末だけ大忙しで踊っている。

 

それでもバレエ鑑賞は仕事の一貫だから、観るべきものは観る。

前回書いた「ヌレエフ・ガラ」の後、5月の残りは

13日(日)、スターダンサーズ・バレエ団「ドラゴンクエスト

 @テアトロ・ジーリオ・ショウワ

30年以上も前の我が国の大ヒットゲームをベースに、

20年以上も前に作られ、上演され続けている日本製のバレエだ。

お話はゲームからきているのでわかりやすい。

プリンセスと二人の騎士の三角関係に、悪と善の闘い、

ワイルドなダンスの見せ場も絡み、結婚式でお目出度いエンディング。

西洋古典バレエの構成パターンをオーソドックスに踏襲した作り方だ。

2017年から装置・衣装を一新したそうで、幻想的かつ近未来的で効いている。

モンスターが可愛く、剽軽で、会場でお子達の笑い声が沸き起こっていた。

 

(左)「ドラゴンクエスト」 (右)「眠れる森の美女」のプログラム

 

18日(金)、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「眠れる森の美女

 @東京文化会館/「眠り」はいろいろ観ているが、

バーミンガム自体の公演を観るのは初めてだし、新国立劇場バレエ団の

前・舞踊芸術監督だったデヴィッド・ビントリーが率いるバレエ団で、

加えてアリーナ・コジョカルのオーロラ姫は観ておくべきだろう、

と思って行ったのだが、私的には全盛期の吉田都のオーロラが好きすぎて、

ちょっと? という感じだった。誕生日のローズ・ヴァリエーションで

ピルエットを4セットするシーンがあるが、都さんはセットごとに

二回、二回、二回とピルエットを入れていき、最後の4セット目では

氷上の演技であるかのようにスルスルと5回転こなして

スルリとストウニューで締める。(こちらのYoutube 1:47〜→)。

コジョカルさんは最多2回なので肩透かしを食ってしまった。

わたしが篤い拍手を送ったのは、カラボス役の佐久間奈緒で、

強烈に個性的なカラボスを演じ踊っていた。

 

25日(金)、同じくバーミンガム「リーズの結婚」@東京文化会館

ヴァリエーションの踊りはAngel Rのクラスでも経験して知っているが、

全篇を観たことがなくて、是非ともと思って足を運んだら、

すごく良かった! 農村の若い男女を巡るコミカルなラブストーリーで、

金持ちのおバカ御曹司や着ぐるみのニワトリたちが楽しい。

ニワトリの踊りはユニークだし、リーズの母親で未亡人の

シモーヌが木靴でタップして踊るクロッグダンスは特筆に値する。

恋人同士がリボンを持って踊るうちに綾取り図形ができるのも新鮮な驚き。

リーズ平田桃子が恋人コーラス(マチアス・エイマン)の片掌に腰かけ、

高々とリフトされる「お尻のリフト」なんてビックリ仰天ものだった。

「リーズの結婚」は現存するバレエ作品では最も古く、初演はフランスの

ボルドーにて1789年(受験で覚えた「火縄燻る」だからフランス革命の年!)。

これが各国で振付、音楽など改訂に改訂が重ねられ、上演され続け、

英国の振付家フレデリック・アシュトンの究極的新改訂版が世界初演されたのが

1960年で、それを今回、わたしは東京文化会館で鑑賞したというわけだ。

ヨーロッパ各地の庶民の踊りや生活風情が織り込まれ、主人公は愛すべき農民。

これがわたしの琴線に触れるのだ。革命に立ち上がった一般市民が

織りなすバレエ「パリの炎」で血湧き肉踊ったのもそういうことだった。

生きているバレエって、そういうものなんじゃないだろうか。

リーズ役の平田桃子さんは小さくて可愛くて表現力のあるプリンシパルだ。

ところでもうひとつ心惹かれた要素がこのバレエにはある。

小さな馬車を引く小さな真っ白なポニーが二度出てくるのだが、

これがたまらなく可愛くて、登場・退場で思わず拍手を送ってしまった。

着ぐるみじゃないですよ、ちゃんと生きてるポニーです。

 

(上)「リーズの結婚」プログラムでお尻のリフトが掲載されてる頁

(下)「Woman of the Year」のフライヤーで、左端手前が宮尾俊太郎。

 

6月に入り、1日(金)には元宝塚歌劇団雪組トップ早霧せいなの退団後

初主演ミュージカル「Woman of the Year」@TBS赤坂ACTシアターで観た。

なぜに突然ミュージカル? と思われるだろうが、Kバレエ カンパニーの

プリンシパル宮尾俊太郎が亡命ロシア人ダンサーの役で出演しているからだ。

バレエダンサーがバレエ以外で仕事をすることに個人的関心があり、

宮尾さんの場合は役者としてはどうなんだろう、と興味津々なのだが、

これがけっこう堂に入っており、がたいがいいし、姿勢もびしっとしているので

舞台に登場しただけで、もうひと際目立って、絵になるんですゎ。

台詞回し、演技もナチュラルで、かつ持ち前の飄々としたコミカルキャラ全開。

バレエもばんばん踊ってくれるし、いまチャイコで入稿準備中の翻訳小説にも

亡命ロシア人ダンサーが出てくるので、対比しつつ感情移入しながら観ていた。

このミュージカルは大物女性ニュースキャスターの恋の行方についてのお話で、

ブロードウエイ初演は1981年。アメリカ的で派手で賑やかな舞台──

梅雨の季節のステキな幕開けとなりました。

 

 

 

 


2018.05.27 Sunday

バレエ三昧の季節 そのNBAスタジオリハ見学

 

今週25(金曜)は新所沢のNBAバレエ団に出向き、

6月公演「Short Stories 9 – BALLET INCREDIBLE」(→こちら)

のスタジオリハーサルを見学した。

ファンクラブのプレミア会員(→こちら)のための特典ご招待で、

またとない経験をさせていただいた。

 

 

「ショート・ストーリーズ 9 ─バレエ・インクレディブル」は

NBAがこれまで上演してきた作品の中でも飛び切りの十八番、

ともいうべき作品7編:

 『スターズ&ストライプス』より パ・ド・ドゥ

 『ガチョーク賛歌』より 性トリオ

 『ケルツ』 全篇

 『ロミオとジュリエット』より パ・ド・ドゥ

 『ザ・リバー』より ボーテックス

 『海賊』より パ・ド・トロワ

 『ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第一番全篇

これに振付家兼ソリストの宝満直也による新作11匹わんちゃん』

プリンシパルの佐藤圭も振付に挑んだ新作La Vitaが入っている。

ファンにとっては文字通りIncredible(まじ、すげえ! の意)な贅沢さだ。

 

スタジオリハでは、ガチョーク、ケルツ、ブルッフ(部分)、La Vita

11匹わんちゃんを見せていただいたが、普段の稽古場の至近距離で

ダンサーたちがパワー全開で踊っているのを観るのはすごい迫力だった。

新作は(当然)観たことがないので興味津々だったが、

La Vitaは美しく長い腕脚を持つ佐藤自身によるソロで、

儚くもたおやかにして生命力溢れる神羅万象の輪廻を体現している。

衣装がどうなるかが楽しみだ。

宝満の11匹わんちゃん』は、意表を突いたオトナなコンセプトで、

ダンサーに高度なテクニックと激しい動きを要求している。

「衣装は着ぐるみですか?」の声が見学ファンから聞こえていたが、

「本番を乞うご期待」と、思わせぶりな振付家のご託宣だ。

 

芸術監督の久保綋一は新しい振付家をどんどん起用していく戦略で、

著書『日本バレエを変える ─コーイチ・クボの挑戦―にもあるように

まず自分のバレエ団NBAの変革を推し進めている。

毎年怒涛のように押し寄せてくる海外バレエ団の日本公演に負けず、

張り切ってもらいたい。だから応援を続けている。

 

公演は6月151617日、全4回公演@彩の国さいたま芸術劇場だが、

ゲットしてあるチケットは15日の昼・夜で、キャスト替わりを楽しむつもり。

個人的には大好きな『ケルツ』と『ザ・リバー』を堪能すると同時に、

衣装・照明ありでの新作本番お手並み拝見といったところだ。

 

話しは変るが、最近、銭湯に行っている。

仕事で硬くなった脳味噌をふやかすのと同時に、

バレエのレッスンで硬くなった筋肉をほぐすことができる。

なんと、この南青山に、100年続く銭湯があるのだ!

「清水湯」という。

 

「清水湯」は港区南青山3-12-3 直近は表参道駅A4

 

一年程前に知り合いがFBでアップしていたので知ったが、

実際行ってみると、ほんと、結構な銭湯で気持ちがいい。

浴室の水は軟水で、3種類のジェットバス、水風呂もあり、

高濃度炭酸泉(炭酸ガスが細かい気泡で溶け込んでいるお湯)

シルク風呂(お湯に微細な空気の泡を混合させいる真っ白なお湯)完備。

銭湯で湯上りといえばこれでしょう、とばかりにコーヒー牛乳を飲み、

ついでに北海道豊富牛乳使用のアイスクリームをいただく。

すんごくし・あ・わ・せ!

 

 

 



calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
<< April 2019 >>

profile

(株)チャイコのHP

(株)チャイコのHP

このブログについて

出版社「チャイコ」専属エディターの鵺子が、世の中の出来事、仕事、身辺種々雑多、趣味のバレエなどについて書いています。
ページ上部の「鵺子草紙」をクリックすると、どこからでもトップページに戻ることができます。

チャイコ新刊本


セックスとドラッグ渦巻く
バレエ界を潜り抜け、
普通であることの幸せを知った
主人公ジョアンが新たな生き方を
見いだす激情と愛情の物語。
定価:1,800円(税別)
公式ショップにて発売中!

チャイコ既刊本

日本バレエを変える
─コーイチ・クボの挑戦─

NYタイムズ紙から絶賛され、
アメリカで20年踊り続けた
天才ダンサー・久保綋一の
新たな挑戦とは?
前代未聞の半生記(DVD付き)
公式ショップにて発売中!

悪の道化師
赤毛のアンセム・シリーズ

アンセムの物語、後編!
地面が崩れ、摩天楼が沈む!
不気味なテロ集団から
「スーパーバレリーナ」は
シティを救えるのか?
公式ショップにて発売中!

秘密の心臓
赤毛のアンセム・シリーズ

一度死に、鼓動600回/分の
心臓でよみがえった
バレリーナが空を飛び、
弾丸のように走り、悪と闘う!
公式ショップにて発売中!

ミスター・Bの女神
バランシン、最後の妻の告白

神と謳われた天才振付家
その神の創造力を喚起した女神
これは二人の真実の愛の物語
日本図書館協会選定図書
公式ショップにて発売中!

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 熊川哲也の「第九」にブラボー!
    鵺子
  • 熊川哲也の「第九」にブラボー!
    amber
  • 母のない子になったから
    鵺子
  • 母のない子になったから
    akko
  • 虹のかなたに逝った母
    鵺子
  • 虹のかなたに逝った母
    funabashi
  • 念願の彼岸花と、西城秀樹
    鵺子
  • 念願の彼岸花と、西城秀樹
    funabashi
  • 念願の彼岸花と、西城秀樹
    アンジェリカ
  • 漸く初校ゲラ戻して晩夏かな
    鵺子

search this site.

PR

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM