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2019.02.18 Monday

銭湯帰りに聴く西城秀樹の「漂流者たち」

 

自分のことだけを考えて毎日を過ごしている。

母が亡くなり、心配のたねが無くなり、そんな状態に慣れてきた。

本を読み、調べ物をし、考え事をし、西城秀樹さんの歌を聴き、

母と過ごした頃の思い出に浸り、バレエとピラティスで体を動かす。

心配事がないので物事に集中もできる。

 

いや、心配事はある──

朝鮮半島、日韓・日朝関係、辺野古基地問題はどうなるのだろう、

なぜ幼い子供たちが実の親たちに殺され虐待されるのだろう。

こういうニュースには気持ちが沈んでしまう。

でも自分の力や意志だけでは片付けられないことなので、

とりあえずは自分のことに専念する。

 

このところ、レッスン帰りに南青山三丁目の「清水湯」に通っている。

以前のブログでも書いたが、100年も続いている銭湯なのだ。

ジャグジーや高濃度炭酸泉やシルク湯につかり、

知っている人はいないので誰と話す必要もなく、

湯煙のむこうにうごめく人体を見るともなくぼんやり眺めている。

 

で、湯上りにロビーのテーブルについて

KIRINの「ハードシードル」を呑む。これがたまらない幸せ。

りんご果汁の炭酸飲料でアルコール分4.5%なのだが、

軽いシャンパンみたいですごく美味しい。

ここで食べるチョコとバニラのソフトクリームも好きだが

シードルのほうがカロリー低いので爛瀬鵐機辞瓩砲呂笋辰僂蠅海舛蕁

 

 

10分ほどして外に出るころには気持ちよいほろ酔いで

いまはまっている西城秀樹の「漂流者たち」(こちら→)

を聴きながら帰途につくことにしている。

1982年、本人も出演していた日本テレビの連続ドラマ

「ホーム・スィート・ホーム」の主題歌で

それまでに歌ってきた作品とは雰囲気が異なるが、

歌詞と歌唱法がなぜかいまのわたしの琴線に触れる。

親に反対されながら16歳で広島から上京してきた当時の自分自身と

歌詞の内容がダブり、コンサートや音楽番組で歌うとき、

彼は涙を浮かべていることがあったといういわくつきの歌だ。

作詞・作曲は藤圭子の「新宿の女」の石坂まさを。

歌の世界に入り過ぎたと言われている動画もある(こちら→)

 

話しは変るが、今週の金曜は福生のライブハウスに行く。

横田基地があり、犖造蠅覆アメリカに近い瓩△諒\源圓澄

どれほどアメリカンなのか、昔から関心があったが

友人から知り合いのミュージシャンが出演するから行かない?

と誘われたので出かけることにした。

 

それでガイドブックでにわか勉強をし、

村上龍の『限りなく透明に近いブルー』も読み直している。

若いときにはドラッグとセックスのことがぴんとこなかったが、

いま読むとこれはすごい文芸作品なのだと衝撃を受けている。

バロウズの『ジャンキー』に比べれば爐子様ランチ瓩世、

写真・映画みたいで映像的な龍さんの文体はやっぱり

芥川賞のベストセラーだけのことはある。

 

 

基地フェンス沿いのルート16にはカフェやレストランもずらり。

一気に太ってしまうかもしれないが、すごく楽しみなトリップだ。

わたし、変れるかな?

 

 


2019.02.06 Wednesday

熊川哲也の「第九」にブラボー!

 

1月18日、亡き母の四十九日と納骨を済ませた。

以来、滞っていた仕事や家事を片付けているが、喪失感からか、

人生観の変化のせいか、単に自分が年とったためか、

遅々として進まない。

 

バレエには安息日の日曜を除く毎日、マシンピラティスには週一、

規則正しく通っている。おかげで軸ができて体幹がしっかりしてきた。

毎日炭水化物は玄米ご飯1膳にしているのに体重が1.5キロ増えたのは、

脂肪より筋肉が重いからで、踊りやすい体になってきた。。

 

1月に入ってから、母の不在を意識しないよう、努めて外出をした。

ありがとう! 西城秀樹展 〜ミスターフェスタ 永遠に〜」が

静岡市で開催されていたので発作的に東海道新幹線にとび乗った。

現役のときに一緒に仕事をした森林写真家・石橋睦美さんの写真展

日光 聖域」を観に銀座のCANNON GALLERYにも足を運んだ。

280年の歴史を誇る「ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー」の

可愛く華やかな10代の生徒たちによる『人形の精』組曲と『パキータ』を

オーチャードホールで観賞した。大人になりきっていない、

細いラインの体で踊る若いダンサーたちは見るからに西洋人形だ。

月末にはゴールドジム恒例の発表会を中野ゼロホールで見た。

私も以前師事した元東京バレエ団ソリストの芝岡紀斗先生の作品で、

懐かしいバレエ友だちがまだ踊っていて頼もしかった。

 

(左から時計回りに: JR高尾駅最寄りのイタリアンレストラン「FUMOTOYA」で、四十九日法要の

帰りに食べた桑の葉と苺のジェラート。桑の葉は生まれて初めて口にしたが、ダイエット効果、

メタボ予防などになるそうだ/法要を行った高尾山中の料亭「うかい鳥山」の広大な庭/

日本の森の写真家・石橋睦美さん、日光の作品を背にして)

  

2月3日にはオーチャードホールでKバレエカンパニー

アルルの女」と「ベートーヴェン第九」を観賞した。

当日の「第九」は芸術監督・熊川哲也さん自らも踊るというので

大分前に狙ってチケットを購入していたのだ。

 

アルルの女」といえば、中学の音楽クラスで《メヌエット》を

リコーダーで練習した。それがローラン・プティ振付のバレエでは

若い男女の新婚初夜のシーンに使われていて新鮮だった。

結婚の喜びに浸る女、彼女との結婚に違和感を覚えて苦悩する男。

YouTubeパリ・オペのゲランとルグリのがアップされている(こちら→)

プティはおもしろい。諧謔的に人間の悲喜劇を映し出しているのだ。

この《メヌエット》のパ・ド・ドゥ、練習してみようかなぁ。

 

第九」は芸術監督演出・振付で、2008年が世界初演だった。

今回は4回目の上演になり、カンパニー設立20周年の節目に持ってきた。

4つの楽章からなるシンフォニックバレエで、わたしは初見だが、

熊川さんの構成力、想像(創造)力はさすがで、独特の世界観だ。

「クレオパトラ」同様、照明・装置含めて全体がアートになっている。

ご本人は《母なる星》と題した第四楽章で威風堂々と登場。

生命の行く手を指し示すリーダー、預言者的シンボル然として踊る。

微塵もぶれない軸、宙を裂くようなピルエットも健在だ。

オーディエンスの目が彼一点に注がれている。場内を支配する緊張感、

それをものともせず彼は踊る、神々しささえ漂わせて。

その存在感があまりにも大きくて、このバレエ団の中からは

彼を超えるダンサーは生まれないだろう──

そんな爛優ティブな期待感瓩気抱いてしまう。

 

母が亡くなってからというもの心が沈みがちで、バレエ音楽聴くのも嫌、

東洋人で姿かたちの美しい西城秀樹さんの歌を聴くほうが癒される──

 

 

(左から時計回りに: 西城秀樹展会場エントランスでファンたちを迎えてくれた等身大の秀樹さん

/ワガノワ・バレエ・アカデミーのプログラムは今年のカレンダーにもなっていて便利/Kバレエの

今回のプログラム。プリンシパル同士の荒井祐子さんと中村祥子さんの対談が充実している。

個人的には、荒井さんの気の強そうな、つりあがった目とメリハリのあるボディが好き)

 

そんな風に思っていたのだけれど、元気を取り戻しつつある今、

哲也さんの凛とした踊りを観て、バレエの素晴らしさを再認識している。

 

 

 

 


2019.01.03 Thursday

母のない子になったから

 

70年代にロックの女王と呼ばれ、一世を風靡したシンガーに

カルメン・マキという人がいる。わたしはマキさんのデビュー曲で、

大ヒットした「時には母のない子のように」が大好きだ。

Rock Side & アングラSide〜」http://carmenmaki.com/

その昔、同じことの繰り返しの単調な毎日に嫌気がさし、

日本にいるのも嫌になり、アメリカに行こうと密かに計画をたて、

学生ビザも取ってから、留学します、と両親に告げた。

そしたら亡き母が「親を捨てて行くのか?」と泣いたので、

なに、それ、大袈裟な、我が子がひとり立ちしようというのだから、

喜んで送り出すべきでしょうが、とあきれ果て、

その週末はふてくされて友人の館山の家に泊まりに行き、

夜の浜辺に坐ってマキさん気取ってひとり海を眺めながら

時には母のない子のように」を口ずさんだのだった(こちら→)。

 

なにかっこつけてたんだろう、といまでは笑ってしまうけど、

まあ、わたしはそういう親泣かせの娘だったし、

寺山修司の詞が当時の自分の気持ちをあらわしていて、

まとわりつくみたいな母の思いから早く自由になりたかった。

だから母を振り切ってアメリカに飛び出した。

長女だし、最初の子供だし、頼られていたのに──そしていま、

現実に母のない子になったわたしは、山の家でボーッとしてる。

ひとりになるとあの時の母の思いを静かに噛みしめる。

 

山の家のベランダから樹々の向こうの山肌のスキースロープを臨む

 

でも、四六時中そんな感傷に浸っているわけじゃない。

30日の「輝く!日本レコード大賞」は目的意識をもって見ていた。

昨年5月に63歳で亡くなった西城秀樹さんに特別功労賞が贈られるので、

信奉者としては、どんな放送のされかたをするのかが気になったのだ。

西城さんはこれまでに金賞と歌唱賞合わせて9回受賞しているが、

74年に歌唱賞を受賞した「傷だらけのローラ」、

78年金賞の「ブルースカイブルー」、83年金賞の「ギャランドゥ」が

動画メドレーで映し出され、とりあえず納得がいくものだった(こちら→)。

 

背が高く、四肢が長く、動いても静止しても絵になる本物のスター。

人の愛、喜び、哀しみを唄うために生まれてきた天才で、努力家で、

どんなジャンルも独自の感情移入で歌い、カバー曲の英語も流暢で、

脳梗塞と糖尿病がなければ、歌にも人間的にもこれからさらに、

いぶし銀のような魅力が増していくはずだった秀樹さん。

4歳上のマキさんは健在でまだライブで歌い続けているというのに……。

そしてわたしはマキさんの唄を聴きながらそっと涙ぐみ、

「お母さん、あの時はごめんね」なんてつぶやいたりできるのに……。

でも不思議だ。西城さんの歌を聴いていると悲しみが癒される。

CDDVDYouTubeのなかにいる彼が、わたしの救世主になっている。

Live

西城さんの闘病については未亡人の木本美紀さんによる著書

『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18(小学館刊)に詳しい。

上は実家の近くにある小平キリスト教会。

青空に映えていたので思わずシャッターを押した。

 

 

 



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