『ホフマン物語』: 未見のバレエ観て歩き

  • 2018.02.25 Sunday
  • 08:59

 

昨年師走から多忙続きで、エンジェルRの月20回チケットを

12月は9クラス、1月は4クラス無駄にした。

今月は意地でも完全消化しようと、1日に3クラス受ける日もある。

ストレッチ系、バー&フロア、ポアントなど、

タイプの異なるクラスを組み合わせるとそんなには疲れない。

 

 

 

レッスンを頑張った日、近くのチョコショップ「Summerbird」のベランダで

ホット・チョコレートドリンクを。外でも寒くない、春の予感の昼下がり。

 

そんな風に2月の時間は私的には有意義に過ぎていく。

舞台もよく観た。今年は未見の作品を観て知識と情報を蓄えようと、

まずは開場20周年記念の新国立劇場バレエ『ホフマン物語』に出かけた。

 

 

チャイコ刊『日本バレエを変える ─ コーイチ・クボの挑戦』に、

久保綋一さんが18歳の頃、1990年に牧阿佐美バレエ団の公演で

物凄く溌剌と踊っている写真が掲載されていて48)、

 

 

これはどういう作品なのだろう、とずっと思っていたからだ。

 

ヘンな話、そのシーン狙いで出かけたのだが、

主人公のホフマンの友人たちによる第一幕のその踊りは圧巻だった。

初日の9日は福田圭吾、井澤諒、奥村康祐がキャスティングされていて、

彼らを観ながら、いまNBAバレエ団芸術監督・久保綋一さん45

18歳のときの踊りを思い描いていた。

 

 

『ホフマン物語』は、大本の原作はドイツの幻想文学作家

E.T.A.ホフマン17761822によるもので、

彼の『大晦日の夜の冒険』『砂男』『クレスペル顧問官』

3作が翻案された戯曲で、そもそもはオペラ作品(初演1881年)なのだ。

それが英国のピーター・ダレル氏の振付・台本で1972年にバレエ化された。

日本では牧阿佐美バレエ団2002年も)と新国立劇場バレエ(初演2015年)

しか上演しておらず、それはなぜ? と思うのだが、

新国の現・舞踊芸術監督が元・牧阿佐美バレエ団の大原永子さん

ということも関係しているのかもしれない。大原さんはダレル氏が設立した

スコティッシュ・バレエでプリンシパルだったという経緯もある。

 

ストーリーは、主人公ホフマンが、悪魔に魅入られ、

次々と女性に恋をしても、そのたびに不幸になり、

老年になってもまだ女性運に恵まれず、絶望する、というもの。

わたしには内容的にちょっとピンと来なくて、

『コッペリア』(男子が騙されて人形に恋をする由)

ゲーテの『ファウスト』(老人が悪魔に人生を翻弄される由)

『白鳥の湖』(ダメ王子が女性と悪魔に弄ばれる由)

のミックスみたいというのが感想だが、ロビーで遭遇した

男性のバレエ友だちはたいそうな感動ぶりで、

「人生このかた失敗ばっかりでうだつの上がらない僕には

ホフマンの気持ちがよくわかる。大原さんだからこそ

持って来られた作品だ。3公演全部チケット買ったよ」

という具合。これは男性のためのバレエなのかもしれない。

 

でも今回のチケット購入者には、10日の10451200

劇場の舞台での団員クラスレッスンを見学できるという特典があり、

行ってきましたよ、わたくしも、ぼーっとしたねぼけ頭のままで。

 

ところがこれがとても興味深く、楽しく、参考になった。

井澤駿、奥村康祐、菅野英男、福岡雄大、小野絢子、本島美和、

米沢唯などプリンシパルの他、ソリスト、アーティストたちが

ふだんの稽古着姿でバー&フロアレッスンをするのを

客席から見ることができたのだから。

 

しかし嫌なこともあった。今回は舞台を俯瞰して観たかったので、

2階のA席真ん中をとったのだが、左隣席のご婦人が

前に乗り出し、前の席の背に両腕をのせて観ているのだ。

各幕の緞帳が上がる前、場内アナウンスで

「お客様はご自分の席の背もたれに背を付けてご覧ください。

乗り出しますと、周りのご迷惑になります」と言っているのに。

 

第一幕では我慢した。もう舞台が始まっていたからだ。

インターミッションが終わってその女性が着席すると、

幕が上がる前から前のめりになったので、言ってみた。

「あのぉ、申し上げてよろしいでしょうか? 

そういう恰好はお止めくださいとアナウンスされてますけど」

「後ろを確認したら誰もいないので迷惑にならないと思って」

「でも、わたくしの迷惑になってます。横に黒い影ができて

視界が遮られて鬱陶しくて、不愉快なんです」

それ以後、彼女は背中を背もたれに付けていた。

でも謝らない。いい大人が、何だろう。

あの恰好、トイレで頑張っている姿に似てるのに、ね。

 

嫌なことはもうひとつあった。わたしの前の人の座高が高いので、

自然に真っ直ぐ視線を送っていると舞台が見えない。

だから右に体をずらして隙間から見るようにするのだが、

そうすると右隣の席のご婦人のヘアーが臭う。加齢臭だ。

わたしは嗅覚が鋭すぎるので、もう最悪なバレエ鑑賞だった。

 

2月27日にはKバレエ・カンパニーの「New Pieces」新作トリプルビル、

3月17日にはNBAの久保綋一版「海賊」(音楽、ストーリー、振付を刷新)

を観に行くのだが、マイ・シート、大丈夫だろうか。

でも公演はすごく期待している。

なにしろ今年は日本オリジナルでも海外版でも未見のバレエを観たい。

従来の作品でも、同時代的にストーリー、音楽、振付、衣装などを

ドラスチックに変えたものを観たいと思っている。

 

 

 

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  • 2018.09.22 Saturday
  • 08:59
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コメント
日々、最高の時間を過ごされていいですね。
人生は遊ばなければ、遊びは夢中で楽しめますから最高です。
私は、仕事と介護に明け暮れています。悩まないです、明日の事も分からないのに、取り越し苦労はしたく無いです。バレーの世界、出版の世界で遊んで下さい、ブログの凸版の広告ページを見ましたが、とても付いて行けない世界がそこ迄来ている恐怖が、有ります。楽しみがある事は、元気の素です。では、遊びファーストで。
  • funabashi
  • 2018/03/06 8:18 PM
funabashiさま
コメントありがとうございます。お疲れ様です。私も大変なことがあると悩みますが、しょうがないので嫌な悩みは無視します。出版とバレエを繋ぎたいので、おっしゃるとおり、そこで遊ぼうとしています。仕事と思うと楽しくないので。でもなかなか大変です。
ところで凸版の広告ページとは何? 恐怖? 今度教えてください。先日Messengerでwaveありがとうございます。
  • 鵺子
  • 2018/03/11 3:50 AM
鵺子さんの記事の間に凸版のPRページがあります。そこを見て 将来着いて行けるかと?ちょい不安です。着いて行く必要も無いですけど。人生は、自分の物、楽しみましょう。又、逢う日まで・・・
  • funabashi
  • 2018/03/22 8:55 AM
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バレエ関連書籍の出版社「チャイコ」専属エディター、鵺子が仕事、バレエ、スウィーツなどについて書いています。

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