松山バレエ団「白毛女」に思う

  • 2017.11.10 Friday
  • 04:37

 

9日夜、Bunkamuraオーチャードホールで松山バレエ団による

日中国交正常化45周年記念「新『白毛女』」を観た。

昔から「白毛女」のことは知っていたが、

公演を観る機会がなく、今回はどうしてもとお思い立ったのだ。

 

清水正夫・松山樹子夫妻が同名の中国映画やオペラを基に創作した

日本人によるオリジナル・グランドバレエで、初演は1955だった。

貧農の乙女が地主階級に立ち向かって苦悩の日々を重ねた末、

白髪になりながらも、世の中を変えていくというストーリーだが、

当時の資料写真で見る、主役の松山樹子さんの挑戦的かつ肉感的な

アラベスクポーズが素晴らしい。

1971年からは森下洋子さんが主役を踊っているが、

若い頃の洋子さんを私は見逃しているので、それが悔やまれる。

 

今回のバージョンは構想・構成・台本・演出・振付が

清水哲太郎氏によるもので、タイトルに「新」が付いている。

以前のバージョンを観ていないので、違いがわからないのだが、

乙女が農村の粗末な家から登場する冒頭シーンは「ジゼル」を思わせ、

大勢の白毛女たちが白い世界で踊る群舞のシーンには

やはり「ジゼル」、そして「白鳥の湖」にも通ずる美しさがある。

だが、音楽、衣装、振付、物語は西洋の物真似ではない。

それがいい。既視感がなく、新鮮に感じられるのだ。

フォーマットとしてのクラシックバレエの伝統を踏まえた、

真の意味での日本のオリジナル・バレエを観たい──

最近の私にはそういう欲求があるので、

日中友好の枠を外したとしても、これは見応えのある作品だった。

 

第二幕が始まる前に、二階のボックス席に美智子皇后陛下が現れ、

会場に拍手の嵐が起こり、対面のボックス席で報道カメラマンの

フラッシュが焚かれたのでびっくり、と同時に、

「まあ、すてき!」と感動してしまった。

清水哲太郎氏が横に坐っていた、とあとで知った。

そういえば、美智子さまも美しい“白毛女”だ。

長い間、ご苦労様でしたと申し上げたい。

 

外に出ると、東急百貨店前のクリスマスツリーが輝いていた。

私の大好きなイリュミネーションの季節の到来だ。

今年もあと2カ月を切った。

 

 

渋谷駅までの途中、いいものを観た興奮を冷ますために

オーチャードのあとでいつも入るカフェに寄り、

ココアパウダーがかかったソフトクリームをいただいた。

中国語が周囲で聞えていた。彼らもオーチャード帰りなのだろう。

 

「新・白毛女」のプログラム裏表紙の森下洋子さん&ソフトクリーム

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