バランシンの『ジュエルズ』誕生50周年

  • 2017.07.22 Saturday
  • 02:42

 

21日の金曜日、

池袋の東京芸術劇場シアターウエストに出かけた。

待ちに待った「Other Desert Cities」の観劇だ。

キャンセルされた公演日の振替え客には

両壁沿い後部に補助席が出されていた。

鵺子の席は補助席ではないが右側壁面後部席の最後部。

この際、席の良し悪しは言っていられない。

観劇できるだけでも感激なのだ。

 

1970年代前半、アメリカ、カリフォルニア州南部に暮らす

裕福な、しかし問題ありありで不幸過ぎる共和党員家族の話だが、

ターコさん(麻実れい)が非常にド派手な登場の仕方で現れると、

あら、とてもお元気そうでなによりだわ、と嬉しくなる。

 

トニー賞演劇部門ノミネート、

ピューリッツァー賞戯曲部門ファイナリストの秀作で、

家族の愛について大いに考えさせられた。

興味深かったのは、舞台が南カリフォルニアだということ。

チャイコの次の刊行作品を翻訳作業中だが、

そのアメリカの小説の主人公家族もやはり

平和で退屈極まりないカリフォルニア南部の住宅地で暮らしている。

 

この小説は登場人物が面白い。

ミスターKという振付師はミスターB(バランシン)がモデルかな?

亡命ロシア人ダンサーはヌレイエフ、それともバリシニコフ?

あるいは彼らを足したり引いたり掛けたり割ったりしている?

読み進むほどに想像力を掻き立てられるが、

バレエダンサーの精神的・肉体的苦悩、葛藤が描かれており、

かつエロい。刊行は来る晩秋の頃になる予定です。

 

バランシンといえば、ミスターBの傑作『ジュエルズ』3部作

が作られて50年になるそうだ。

友人がNewsweek日本版の記事を送ってくれたので知った。

 

 

そのためニューヨーク・シティ・バレエ団NYCB

今月2023日、『ジュエルズ』の特別公演を行っていた。

エメラルド」「ルビー」「ダイヤモンド」を

NYCB、パリ・オペラ座バレエ団、ボリショイ・バレエ団

のコラボレーションで踊るという前代未聞の趣向だ。

NYにいたら絶対観に行っただろうに……。

 

この記事を送ってくれた友人・栗田澄子さんのご主人は

著名な報道写真家・栗田格さんで、それこそNewsweek

表紙写真もバンバン撮っていたお方だ。

鵺子は大昔、Newsweek東京支局にも務めていたので

栗田さんご夫妻には大変にお世話になった。

 

澄子さんは最近、ご主人のために永久サイトを立ち上げた。

格さんのこれまでの作品を誰でも無料で永久に見ることができる(こちら→)

同時に澄子さんは自分の仕事用HPを一新した。

そこでは彼女がマネージングをしている各国の画家たちの

作品が紹介されている(こちら→)

 

さて今週のかき氷は、青山五丁目骨董通りにある

ブティック内のカフェ「COBI COFFEE」でいただいた

[エスプレッソときび糖あずきクリーム]

 

 

昨年もここで猛暑の日に飛び込んで体と頭を冷やしたが、

あのときは白まめクリームがかかっていた。

昨年のも今年のも大変に美味。

エスプレッソの苦さが甘味とうまくコラボしている。

 

大きすぎる悲しみ

  • 2017.07.15 Saturday
  • 22:59

 

生きていると自分のまわりで様々なことが起こる。

懸命に生きているのに、知らぬ間に、暗い不幸に

ぴったり後をつけられていることがある。

 

大きな悲しみに暮れている人に出会った。

一人になったときに思いっきり涙を流しているという。

その話を聞きながら相手の潤んだ目を見ているうちに

こちらも喉の奥が痛くなり、涙目になっていた。

慰めの言葉など寄せ付けないほどの深すぎる悲しみ。

肩を抱きしめ心をひとつにするしか方法がなかった。

帰宅してからメールをした。

泣きたいだけ泣いてください

 

 

その週は満月だった。

黒い夜空に冷たい色の月が浮かんでいた。

悲しいときにこんな月を見れば、慰められるだろうか。

だめだろう、あの悲しみは重すぎる。

どれだけ時間が経っても消えるはずがない。

その人は、大きすぎる悲しみをきつく抱きしめ、

自分の定めとして生きていくだろう。

 

最近、都立大駅近くのノアバレエスタジオで

レッスンを時々受けるようになった。

同じところに通っているとマンネリ化する。

違う電車に乗り、違う道を歩き、違う人たちと踊る。

すると、自分を違う目で見つめている自分がそこにいる。

 

先週、そのレッスンの帰り、気になっていたカフェに入った。

「倉式珈琲」といって、コーヒーが美味しいらしい。

「倉」はコーヒー豆を貯蔵して置く倉庫、の意。

「式」はサイフォン方式で淹れるからだそうだ。

でも猛暑だし、かき氷にこだわっている今日この頃、

ダブルベリーのかき氷」をいただいた。

 

 

ブルーベリーストロベリーのソースがけ、

トッピングされているのはカシスシャーベット

ガラス器の青い網目模様がさらに涼感を誘う。

甘酸っぱく、品のあるお味でした。

 

* 朗報 *

Other Desert Cities」のチケットが確保できたと

麻実れい後援会の幹事さんから電話があった。

当初のチケットと同じかぶりつき最前列ど真ん中とはいかないが

とりあえずターコさんを応援し、観にいくことができる。

不幸な出来事があったけれど、役者さんたちは

故中嶋しゅうさんのためにも頑張って白熱の演技をしていると聞く。

 

 

 

 

俳優・中嶋しゅうさんの訃報

  • 2017.07.11 Tuesday
  • 23:16

 

7日、七夕の日、お昼のニュースをつけ、

裁縫箱をだしてタイツの破れ目を繕っていたら、

テロップが流れて「エッ?」と変な予感がした。

テレビ画面に目をやったときにはもうテロップは終わりかけで

「……都内池袋の芸術劇場に出演していた」

ぐらいしか読めなかった。

 

でも芸術劇場といえばターコさん(麻実れい)も出演の

アザー・デザート・シティーズOther Desert Cities)」が

前日の6日に初日を迎えたばかり。

鵺子は週明けの11日にその昼の部を観劇することになっていた。

 

 

しばらくすると画面に音声と画像が流れ、

共演の中嶋しゅうさんが昨日演技中に舞台から転落し、

当日夜に病院で亡くなったというニュースだったのだ。

とりあえず10日までの公演は中止とも報じられた。

では11日はどうなるのか、明日にでも劇場に電話してみよう

と考え、ターコさんはどうしているだろうとも案じてしまった。

今回の舞台は寺島しのぶさんが主役で、

ターコさんは中嶋さんと脇を固めているのだが、

2人はこれまで何度も共演してきた芝居仲間だったと聞いている。

 

翌日、8日、仙頭由貴先生レッスン@新宿村の帰り、

中野坂上のデニーズで今年お初のかき氷を食べていたら

 

 

麻実れい後援会の幹事さんから電話が入り、

「残念ながらご予約の11日公演は無しになりました」との知らせ。

先の舞台もどうなるかわからないとも。

後援会が取ってくださった席は最前列ド真ん中で

かぶりつきじゃないと気が済まない身にはとても楽しみだったが、

こればかりは致し方無い。

人はいつ、どこで死を迎えるのかわからない、

漠然とした不安を抱えて生きる存在なのだ。

 

週明け10日、月曜の昼過ぎ、再び幹事さんから電話があり、

「中嶋さんの代役に大橋歩さんが決まり、13日から公演が始まります。

キャンセルになったチケットの方にお席を用意できるか努力しますので

大丈夫な日取りを教えてください」とご親切な連絡だった。

東京、大阪公演ともほぼ売り切れ状態と聞いていたから、

期待しないで待っている。

中嶋さんのご冥福を祈ります。合掌。

 

 

腰骨を真っ直ぐ引き上げる

  • 2017.07.02 Sunday
  • 11:21

 

コンスタントにレッスンに通えている。

その日に注意されたことを忘れないうちに

翌日のクラスで意識しながら体を動かす──

おかげでバレエに必要な筋肉がついてきた気がする。

 

足裏で床を押し下げ、頭で天井を押し上げ、

尾骶骨と頸椎がまっすぐ繋がっているイメージ──

これがわかってきた。体が覚えたのだ。

お腹の引き締めと、腰骨垂直引き上げもキープできるようになった。

 

腰骨の引き上げ──これはダンサーの猴廰瓩覆里世箸靴澆犬濟廚Α

脚と上半身のあいだに位置する腰骨が安定していれば、

手足上半身を上げ下げ曲げしても全体がぶれず、楽に踊れる。

 

ここ一年近く、ヴァリエーションとポアントに時間を割いてきたが、

先日、バー・フロアークラスに出たら、

アンシェヌマン(複数の基本的なパをリズミカルに繋いだ動き)

まだこなせないパがたくさんあることを自覚した。

ヴァリエーションクラスを減らし、中級クラスをとるようにしよう。

パ・ド・ポワソン、ソデバスク、アンボアテなど

いつどこに出てきても上手く踊りこなしたい。

 

パ・ド・ドゥは基礎クラスを死守しつつ、

個人的に「海賊」第二幕のアダージョを練習している(こちら→)

音楽がたおやかで癒されるし、腰骨垂直引き上げを意識する稽古になる。

難しいけど、振りを少し易しくし、執拗な反復練習でなんとかなるかも。

前向きに考えなければ夢がなくなる、でしょ。

 

ちょっとスイーツの話。

頻繁に通う表参道のAngel Rこちら→)が入っているビルの1Fに

GENDY(ジェンディ)」という小さなお洒落な店がある。

通りに面したショーウィンドーに男女のマネキンが

意味ありげに見つめ合って立っているので、

何の店かわからず、昨年のオープン以来、気になっていた。

 

 

先日、レッスン帰りに思い切ってガラス扉を開け、

「すみません、こちらは何を売っているのですか?」

カウンターにいた男性店員に単刀直入、訊いてみた。

「ハンドメイドのお菓子です。試食なさいませんか?」

もちろんOK、お菓子なら大歓迎。

 

そして出されたのは淹れたてエスプレッソと、長さ2cmのお菓子。

一本10cmのものを切って振る舞ってくれたのだ。

それが、美味しい! 鵺子好み!

塩味のある濃厚キャラメルを、スパイシーな香りのクッキーでサンド。

商品は12本入り、あるいは24本入りを木箱に詰め、

銅板の蓋を施すので一見、シガー風のパッケージ。

シングルモルトなどを嗜みながら男性も口にできるお菓子なのだという。

 

 

試食をさせてくれたし、何より味も香りも食感も好みなので

12本入りを買ってみた。一箱6000円! つまり一本が500円!

我が家のエンゲル係数が一気に跳ね上がるけど、

2週間は冷凍でも風味は変らないというので、

1日おき、濃いめにしたミルクコーヒーと一緒に楽しんでいる。

甘くはなく、一本100カロリーなので太らないのも嬉しい。

 

 

十字架がマイブームなわけ

  • 2017.06.17 Saturday
  • 23:26

 

14日の水曜、青梅市の河辺に出かけた。

高校からの友人Sさんが宝飾店「大山宝石」の社長なので(こちら→)、

十字架をデザインしたアクセサリーを探しているとメールしたら、

いろいろあるわよ、というので拝見に上がった次第。

 

新宿から中央線青梅特快で乗り換えなしの約40分で河辺に到着。

平日の昼間は空いているし、すごく便利、快適だった。

軽くランチをし、そこにもうひとり同窓の友人Aさんも加わって、

近所の「吹上しょうぶ公園」(こちら→)でハナショウブが見頃というので

寄ってみたら凄かった。実に奇麗、美しい! 

紫、薄紫、薄水色、黄色、白、限りなく透明に近い白などが

6月上旬から下旬にかけて約10万本が咲き誇るという。

 

 

 

華麗なハナショウブ鑑賞後、

大山宝石」では眩しく輝くジュエリーたちとご対面。

友人が用意してくれていた十字架たちには

ピアス、指輪、ペンダントがあり、目移りして困ったが、

直感でニーズに合うものを複数選んだ。

 

耳たぶに密着してキラッと光るチェリーゴールドのクロスの中心に

針の先ほどの白ダイヤモンドが入った極小のピアス。

白蝶貝のシンプルなクロスが楚々と揺れるぶら下がりピアス。

爪楊枝の先ほどのイエローダイヤモンドを十字に埋め込んだ

チョーカータイプの小さなペンダント。

極薄に平打ちされた十字のなかが打抜きで網状になっている

イタリア製のペンダント(片面は金色、もう片面は白でリバーシブル)。

それから、小さくて厚みのある赤瑪瑙のクロスと

透き通ったトパーズのネックレスの組み合わせ。

これは白蝶貝のピアスとお対で着けるとポップで楽しい。

 

赤瑪瑙も白蝶貝も縦20ミリ×横10ミリ

 

十字架はキリストが磔になった残酷な死の象徴なのだから、

身に着けるのなら派手に煌びやかなものではいけないと思っている。

だからどれも本当に小さく、清楚な感じのものにした。

 

昔からイエス・キリストには関心があり、

旧約・新約聖書は物語として読んでいたし、

翻ってニーチェの無神論にも傾いてみたり、

シュタイナーの超感覚を論じた神智学/神秘学に嵌ったり、

ロレンスの現代文明批判として読める『黙示録』も粋がって愛読した。

今、考えるところがあり、これらの書物を再読しながら

キリスト教の研究をしている。

 

十字架を身に付けることを思い立ったのは、

そんな自分への道標にしたいからだ。

日本を含む世界中で起こっている嫌なことへの牴罎魂の闘争瓠

あるいは世界の平和・良心の復活を祈って、なのかもしれない。

だからといって、なにもジュエリー買わなくてもいいのだが……。

それが、そこ、心弱き、物欲に塗れし俗人、君の名は。鵺子さん。

 

 

バレエ三昧で5月が過ぎ、今年もあと半年

  • 2017.06.09 Friday
  • 23:13

 

5月は忙しかった。

9ヶ月も溜まった経理事務を片付けなくてはならなかった。

税理士さんからお小言をたまわってしまったのだ。

おかげでブログが滞った。

でもブログは自分のための覚書でもあるのだから、

書かないでは済まされない。

 

とにかく5月はレッスンにも足しげく、バレエ鑑賞も多かった。

✪松山バレエ団の「ロミオとジュリエット」

Angel Rで師事しているN・K先生ゲスト出演のセミプロ発表会。

✪同じくN・K先生出演の天満・天神バレエ&ダンスフェスティバル。

✪久保綋一芸術監督率いるNBAバレエ団

「真夏の夜の夢」と「葉は色褪せて」。

この2作品は過去にも観たが、前回と比較して、

ダンサーのレベルが格段に向上しているのが明白だった。

 

NBAは来る9月公演で「HIBARI」の再演と、

「ザ・リバー」の日本初演をする。

「HIBARI」はご存じ美空ひばりさんの生涯のバレエ化。

「ザ・リバー」はアルヴィン・エイリー振付、デューク・エリントン音楽で、

ダンサーに高度なテクニックを要求する現代バレエ──

これをNBAがどう見せてくれるのか、大いに期待するところだ。

 

シャーリー・マクレーン、アン・バンクロフト主演、

ミハイル・バリシニコフも出演の映画「愛と喝采の日々」(1977に、

劇中バレエ作品『エリントニア(ヴォルテックス)』が登場するが、

これは「ザ・リバー」からの抜粋で、映画で踊っているのは

当時アメリカン・バレエ・シアターのソリストになって間もない

レスリー・ブラウン19だった(こちら→ タイムスケール1:09:32~

鵺子はこの『エリントニア』が大好きで、

NBAではどのダンサーが踊るのかと、いまから興味津々なのである。

 

新国立美術館の「草間彌生 わが永遠の魂も観た。

昔、週刊誌で仕事をしていた時、彌生さんにはたびたび取材させていただき、

以来、展示会があるときは必ず拝見している。

88歳になられるのに、創作意欲の果てることがない。

 

 

新国立美術館のあと、ご近所のミッドタウンに移動し、

21_21 DESIGN SIGHTで行なわれている「アスリート展」を観た。

アスリートの肉体、運動、エネルギー、心理状態を

映像、写真、装置などを駆使して解析して見せる展示会だった。

ここに足を運んだのは他でもない、

久保綋一さんの本「日本バレエを変える」のカバー写真家、

ハワード・シャッツ氏の作品も展示されているからだ。

 

(c)Howard Schatz

 

上にご覧いただいているのがそれで、

モデルはニューヨーク・シティ・バレエ団のダンサー。

驚いたことに、鵺子はこの写真を見て、彼女がなにをしているのか、

手足胴体がいったいどうなっているのか、にわかにはわからなかった。

 

じっと見ていただきたい──ポアントを履いた右足でつま先立ちをし、

頭を床に向け、胴体を脚の付け根から折り曲げ、左脚を天井に向け、

上に向けた両腕で絶妙なバランスをとり、彼女は片脚倒立をしている!

バレエダンサーの身体能力は、こんなところまで行ってしまう。

でもバレエは曲芸ではない、サーカスではない、

身体によるアート、芸術なのだ!

 

 

 

 

 

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(株)チャイコのHP

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このブログについて

バレエ関連書籍の出版社「チャイコ」専属エディター、鵺子が仕事、バレエ、スウィーツなどについて書いています。

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チャイコの本


NYタイムズ紙から絶賛され、
アメリカで20年踊り続けた
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地面が崩れ、摩天楼が沈む!
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心臓でよみがえった
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